「誠実に、そっと灯りを置く奉仕」― We Serve
このたび、名古屋栄ライオンズクラブ会長を拝命するにあたり、本年度の抱負と基本的な考え方を以下のとおり述べさせていただきます。
私は、奉仕の原点とは「一隅を照らす」ことにあると考えています。世界を変えることや、大きな成果を追い求めることではなく、自らが立つ場所において、目の前の人や地域に対し、そっと灯りを置くこと。その小さな積み重ねこそが、結果として社会を静かに、しかし確かに支えていくものだと信じています。
また、奉仕の在り方として「輝く月のように」という姿勢を大切にしたいと考えています。月は自ら光を放つ存在ではありませんが、暗い夜に人の足元を照らします。奉仕も同様に、目立つことや評価を目的とするものではなく、必要とされる場所で、必要な役割を果たし続けることにこそ意義があるのではないでしょうか。主役になるのではなく、支える存在であり続ける姿勢を、私自身も学び、実践してまいります。
私は日々の仕事を通じて、人の人生に関わるということの重みと難しさを実感しています。人生の主役は常にその人自身であり、支援する側は前に出る存在ではありません。人生のコンシェルジュになれるよう、そして頼られた時には、ドラえもんのように必要な支えを差し出せる存在であれるよう、日々研鑽を重ねております。その姿勢を、ライオンズクラブでの奉仕活動においても大切にしていきたいと考えています。
人は誰かに照らされた経験を胸に、自分では気づかないうちに、次の誰かを照らす存在になっていく。本年度は、その連なりを信じる一年にしたいと考えています。
近年の調査では、日本は「助けたい」「社会の役に立ちたい」という意識は高い一方で、寄付やボランティアといった行動面では、世界的に見て低い水準にあることが示されています。これは、日本人の優しさや思いやりが不足しているからではなく、その想いを具体的な行動に変換する“場”や“きっかけ”が十分に整っていないことが一因であると考えています。
私は、ここにこそライオンズクラブの大きな役割があると考えています。奉仕を特別なものにするのではなく、「ここに参加すればよい」「この形で関わればよい」という行動への入り口を用意すること。その積み重ねが、社会全体の奉仕文化を育てていくと信じています。
故・小野ライオンが理事会で語られた「奉仕には“効果”と“効用”がある」という言葉は、今なお私の心に残っています。介助犬マラソンのように支援の成果が比較的早く形として見える奉仕もあれば、中学生合唱フェスティバルの支援のように、すぐに結果が表れるとは限らない奉仕もあります。しかし、合唱に参加した子どもたちが将来、音楽家や教育者となり、地域の文化を支える存在へと成長していくとすれば、それは年月を経て現れる「効用」であり、極めて価値の高い奉仕であると考えます。
名古屋栄ライオンズクラブは、これまで中学生合唱フェスティバルへの支援、介助犬マラソンへの協力をはじめ、人の心や生活に寄り添う奉仕を地道に継続してまいりました。派手さはなくとも、今の一歩が未来の誰かの人生を支えているかもしれない。そのことを信じて活動を続けていく姿勢こそが、本クラブの大きな価値であると考えています。
会長としての私の役割は、先頭に立って引っ張ることではなく、会員一人ひとりがそれぞれの持ち場で力を発揮し、安心して奉仕に向き合える環境を整えることにあると考えています。また、本クラブの活動が無理なく、そして長く継続していけるよう、一年一年を丁寧に積み重ねていく所存です。
「誠実に、そっと灯りを置く奉仕」
― We Serveこのスローガンのもと、名古屋栄ライオンズクラブが、静かでも確かな灯りを地域や次の世代へ届けられるよう、三役・理事・会員の皆様と共に歩んでまいります。
何卒ご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。